コラム

令和3年度補正予算案「事業再構築補助金の見直し・拡充」について

税務

11月26日付けで閣議決定された、令和3年度補正予算案の概要が発表されました。
これまでのコラムで数回にわたってご紹介しました「事業再構築補助金」の、来年度の見直し・拡充について、現行制度との違いを比較しながら、ご説明します。 
※現時点では「案」のため変更されることがあります。

次に、新設される予定の「回復・再生応援枠」と、「グリーン成長枠」について詳しくご紹介します。
 
回復・再生応援枠の創設  
 引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を対象としており、最大1,500万円まで、中小企業については補助率を3/4に引き上げ(通常枠2/3)手厚く支援する。
 主要な設備の変更を求めないこととする(要件の緩和)。
 
【対象事業者】
 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が2020年または2019年同月比で30%以上減少していること。
 再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細は検討中)。
 この創設に伴い緊急事態宣言特別枠は廃止


 
グリーン成長枠の創設 
 グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象に、補助上限額を最大1.5億円まで引き上げた新たな申請類型。
 売上高10%減少要件を課さない。
 この創設に伴い卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止
 
【対象事業者】
 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画書を策定すること。
※通常はそれぞれ年率3.0%以上増加
 グリーン成長戦略「実行計画」14分野(詳細リンク→2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 (METI/経済産業省))に掲げられた課題の解決に資する取り組みとして記載があるものに該当し、2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと。

 
来年度の制度の見直し・拡充では、コロナ禍では、これまで進んでこなかったデジタル化が急速に進むなど、社会の変化と2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、グリーンエネルギーに加えて人工知能、量子、バイオなどのイノベーションに関わる投資と「人」への思い切った投資によって生産性を引き上げていくことが必要不可欠としています。
事業環境の変化に対応するため、事業再構築を通じてコロナ以前のビジネスモデルから転換する必要性が依然として高いことから、事業再構築補助金は来年度も引き続き注目されることでしょう。
 
事業再構築補助金の申請については、採択実績のある税理士法人CROSSROADにお気軽にご相談ください。

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