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金地金等を譲渡して利益を得た場合の課税関係

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近年、金の価格の高騰が報道されていますが、今回は個人が金地金等(インゴットや金のジュエリー)を売却して利益を得た場合の課税関係について説明いたします。

1.金地金の現物(インゴット)を売却した場合

一般的には金地金を売却して利益を得た場合には、譲渡所得として、給与所得など他の所得を合算して税額を計算する「総合課税」の対象になりますが、この場合に課税の対象となるは金の売却額ではなく、購入費や売却時にかかった諸経費を差し引いた金額です。親族から譲り受けたもので購入価格が不明の場合には、売却価格の5パーセントが「みなし取得費」として計算され、95パーセントが売却益とされます。

譲渡所得については、譲渡した年の1月1日時点で金の所有期間が5年以下であったら「短期譲渡所得」、5年を超えていたら「長期譲渡所得」ということになりますが、譲渡所得には、年間50万円の特別控除が設けられていることから、金地金の売却益が50万円を超えなければ課税関係は生じません。

なお、事業の一環として金を売買しているケースの所得区分は事業所得に区分され、事業ではないものの個人が営利目的に継続して金の売却をして得た利益は雑所得に区分されることになります。

 

2.金定額購入システムで購入した金地金を売却した場合

金定額購入システムとは、価格変動リスクを避けるため、継続して同一の商品を同一金額だけ購入する「ドルコスト平均法」により購入され、毎月の購入金額を営業日数で割った金額で毎月買い付けるものであり、購入した金地金の重量を顧客ごとの預り口座で管理され、譲渡の際には単位重量を売却するというものです。

この場合の譲渡所得の計算について、国税庁は、以下の取り扱いをすることを認めています。

所有期間の判定においては、同一銘柄の有価証券を譲渡した場合の取得日の取り扱いに準じて、先に取得したものから順次譲渡したものとする。

総収入金額から控除される必要経費及び取得費については、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券の場合に準じて、総平均法に準ずる方法により算出する。

 

3.金のジュエリーを売却した場合

金地金ではなく金のジュエリーを売却する場合には課税関係が異なります。金のジュエリーの場合には、通常は「生活用動産」とみなされ課税対象とはなりませんが、1個または1組の売却金額が30万円を超過して利益が出た場合には所得が生じます。(この場合の30万円は売却益ではないので、ご注意ください。)

なお、1回の取引で数点持ち込んでも、合計金額ではなく1点の売却益が30万円を超えたジュエリーだけが課税対象となります。例えば、同時に取引した金のジュエリーの売却益が、10万円・15万円・20万円だった場合の売却合計額は45万円となりますが、これらを1点1点で見ると30万円を超えていないことから課税関係は生じないということとになります。

 

4.その他

金投資口座や金貯蓄口座などからの利益については金現物の譲渡とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として一律20.315パーセント(所得税等15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉分離課税が適用され、他の所得と合算して確定申告をすることはできません。

 

ご不明な点がございましたら、税理士法人CROSSROADへお気軽にお問い合わせください。

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