コラム

「資金繰り+再成長」協調支援型特別保証制度の活用法

NEW 税務

2025年3月14日から、新たな中小企業支援策として「協調支援型特別保証制度」の取扱いが開始されましたのでご紹介します。

制度の特徴

物価高や人件費の増加の影響などで、経営に苦しむ中小企業は少なくありません。本制度は、信用保証協会付き融資における保証料の一部を国が補助します。また、据置期間も設けられているため、当面の間は資金繰りの心配がなく、事業に集中することができます。

 

制度の概要

対象となる企業

【同時実行型】

申込金融機関から、本制度による保証付き融資と同時に、保証付き融資額の1割以上(融資期間12か月以上)のプロパー融資を受けること。

【フォローアップ型】

申込金融機関の支援を受けながら、自ら経営行動計画を策定し、その実行および進捗報告を行うこと。

 

◆融資限度額(大阪信用保証協会の場合)

2億8,000万円

(無担保の場合8,000万円)

◆保証期間

・一括返済の場合:1年以内

・分割返済の場合:10年以内

◆据置期間(元本猶予期間)

・運転資金:1年以内

・設備資金:3年以内

保証料率

0.45%~1.90%

※決算内容や安全性・収益性などに応じて決定されます。

保証料の補助割合

保証申込日に応じて、次の保証料補助率に相当する額を国が補助します。

・2025年3月14日~2026年3月31日:1/2補助。

・2026年4月1日~2027年3月31日:1/3補助。

・2027年4月1日~2028年3月31日:1/4補助。

※フォローアップ型の場合は、期間にかかわらず1/4の補助となります。

 

プロパー融資と信用保証付き融資の違い

そもそも、プロパー融資と信用保証付き融資にはどのような違いがあるのかを、解説いたします。

プロパー融資

プロパー融資とは公的機関である信用保証協会の保証を受けずに、銀行と事業主が直接取引を行う融資方法です。

銀行の融資担当者は、事業主が融資申込時に提出する決算書や事業計画書などをもとに審査を行い、融資額、金利、返済期間を決定します。

返済が滞った際は、銀行側が大きな損害を受けることになるため、審査は厳しくなりがちです。

 

信用保証付き融資

信用保証付き融資とは、信用保証協会が保証を行う融資のことをいいます。

信用保証協会の役割は、資金調達を行う事業主に対して信用保証を提供することです。

これにより、事業主はプロパー融資と比べて、融資を受けやすくなります。

また、事業主は信用保証を利用する対価として、信用保証協会に対して、信用保証料を支払うこととなります。

 

本制度の活用事例

現状

A社は、すでにプロパー融資を受けており、その一部を返済済み。

しかし、資金繰りの都合から、さらに5,000万円の追加融資を希望。

ところが、金融機関からは「プロパー融資で希望額すべての対応は難しい」と回答された。

対策

A社はプロパー融資で1,000万円、残りの4,000万円を信用保証協会付き融資で調達。「協調支援型特別保証制度」を活用することで、措置期間により資金繰りに余裕ができかつ、保証料の一部が補助され、通常よりも少ないコストで融資を受けることが可能となった。

 

この制度の取扱期間は、2025年3月14日から2028年3月31日までとなっております。

制度の詳細や申請の流れについてご不明な点がありましたら、どうぞお気軽に税理士法人CROSSROADまでご相談ください。

その他関連コラム