税務の「縦割り」が消える!?国税庁『KSK2』始動で変わる企業の申告と税務調査
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親から譲り受けた実家。住む予定はない。けれど、決めきれない。そんな空き家が、いま全国で増え続けています。総務省の調査でも空き家の増加は社会問題として取り上げられており、他人事ではありません。
放置すれば、固定資産税の増額、近隣とのトラブル、そして「特定空家」への指定というリスクが待っています。特定空家に指定され、自治体から勧告を受けると、住宅用地の特例が適用されなくなることで、固定資産税額が大幅に増加する場合があります(一般的には最大約6倍になるケースがあります)。座して待つことは、リスクを黙認することと同義です。
出口は一つではありません。ここでは「売却」「賃貸」「国庫帰属」「解体」という4つの選択肢を、感情だけでなく、費用・税負担・将来性などの観点から比較します。
■ 選択肢1:売却 ── リスクを断ち切る、明確な選択肢
現金化により、兄弟間の遺産分割は一気にシンプルになります。将来の固定資産税や維持管理コスト・リスクからも完全に解放されます。一定の要件を満たす場合には、「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」が適用できる可能性があります。 一方で、思い出のある実家を手放す心理的な負担、そして立地・状態次第では買い手がすぐに見つからないという現実もあります。
――誰も住む予定がなく、維持管理の手間もコストも完全にゼロにしたい方向けの選択肢です。
■ 選択肢2:賃貸 ── 手放さず、資産として働かせる
所有権を維持したまま、毎月の家賃収入という「収益を生む資産」に転換する道です。将来、ご自身やお子様が住むという選択肢を残せる点も強みです。 ただし、入居者を募るためのリフォーム費用が数百万円単位でかかるケースが多く、空室リスク・修繕リスク・入居者トラブルへの継続的な対応も背負うことになります。
――立地が良く賃貸需要が見込めるエリアにあり、初期投資をご用意できる方に向いています。
■ 選択肢3:国庫帰属 ── 「売れない土地」を国に託す
「建物が古く、立地も悪いため売りたくても売れない」――そんな土地の受け皿として、2023年4月に始まったのが相続土地国庫帰属制度です。一定の要件を満たした土地について、国の承認を受けることで国庫へ帰属させることができます。 ただし建物付きの土地は対象外で、事前の解体が必須です。審査料や負担金は原則20万円〜かかり、土壌汚染や権利関係に問題がある土地は却下されるなど、審査基準も決して緩くありません。
――買い手がつかない過疎地や山林・田畑を相続し、次世代に「負の遺産」を残したくない方のための有力な選択肢の一つです。
■ 選択肢4:解体 ── 更地に戻し、次の一手に備える
建物を取り壊せば、倒壊や不審者侵入といった防犯・防災リスクは消えます。土地としての売却や、駐車場・資材置き場への転用もしやすくなります。 一方で解体費用は数百万円規模かかります。加えて建物がなくなることで「住宅用地の特例」が適用外となり、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がる点は見落とせません。冒頭でお伝えした特定空家の勧告と同じ結果を、解体という選択そのものが招くこともあるという点は、押さえておく必要があります。
――老朽化が激しく危険な状態で、解体後すぐに売却や活用のめどが立っている方向けです。
■ 税理士法人の視点から見た、もう一つの論点
見落とされがちですが、この4つの選択肢は税務・相続の観点からも影響が大きく異なります。売却であれば譲渡所得税や特別控除の適用可否、賃貸であれば不動産所得の申告体制、解体であれば固定資産税評価額の変動が、それぞれ翌年以降のキャッシュフローに直結します。 「どの選択肢が得か」は、単純な損得ではなく、相続人の人数・資産構成・将来のライフプランまで含めた総合判断です。感覚や思い出だけで決めてしまうと、数年後に「あのとき試算しておけば」という後悔につながりかねません。
■ おわりに ── 一番のリスクは「決めないこと」
空き家問題で最も避けたいのは、判断を先送りにした末に、残された家族が管理・税金・トラブルの矢面に立たされることです。 必要なのは、売却か賃貸かという技術論の前に、「親が元気なうちに、家族で実家の未来を話し合っておくこと」です。まずは実家の資産価値――売れるのか、いくらで貸せるのか――を知ることから始めてみませんか。
「うちの実家は、結局どの選択肢が向いているのか」――その問いに、感覚論ではなく数字と制度の裏付けで答えるのが、私たちの役割だと考えています。
CROSSROADグループが、皆様のお悩み解決に向けてサポートいたします。