同族会社における「行為計算否認」の適用要件と否認リスクを抑えるための実務ポイント
2026年10月、人気音楽グループのメンバーが代表を務める会社が、東京国税局から約5億8,000万円の申告漏れを指摘され、過少申告加算税を含め約5,300万円の追徴課税を受けたと報じられました。報道によると、同社は、取得した株式について配当を受け取った後、価値が下がった株式を代表者個人に売却し、株式の取得価額と売却価額との差額を損失として計上していましたが、税務上認められなかったとされています。同社は、本税と過少申告加算税をすべて納付したことを公表しています。
こうした報道に接すると、「自社の節税対策やグループ会社間の取引は大丈夫だろうか」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の事例で適用された条文は、確認できた公表資料からは明らかではありませんが、同族会社の取引で押さえておきたい規定の一つに、法人税法第132条の「同族会社等の行為又は計算の否認」があります。この規定では、単に税負担が減るかどうかではなく、取引が経済的合理性を欠き、税負担を不当に減少させるものかどうかが問題になります。
今回は、この規定の適用要件を最高裁判例とともに整理し、否認リスクを抑えるために、取引の目的・条件・判断過程について確認し、記録しておきたいポイントを解説します。








